学びの環境LEARNING PLACE

スポーツにしても歯医者の仕事にしても、最初に「どこで学ぶか？」がとても大切です。最初のスタートで「変なクセ」をつけてしまうと、それに引っ張られて後々苦労することがあります。歯医者の技術も大切なことは「基本」です。基本に忠実であれば、不器用でも必ず結果はついてきます。
最初に勤める職場では、技術だけではなく仕事の価値観の影響も受けます。これも、人生に関わるほど重要な事柄です。あまりにも環境が良すぎる「温室」や「ぬるま湯」のような職場で働くと、将来自分が開業するときに「歯科の不況の時代」を乗り切る実力が身につきません。

僕は「人は失敗からしか学ぶことはできない」と思っていますもちろん失敗を推奨しているのではなく、失敗は無いほうがいいです。自転車に乗れるようになるには、最初からうまく乗れるのではなく、何度も転んだりしてようやく上手に乗ることができます。ゴルフの上手な人でも、過去にOBを打ったことがない人はいません。

肯定的・否定的

僕はドクターに対して「肯定的に話を聞いていますか？それとも否定的に話を聞いていますか？」という問いかけをよくします。乾いたスポンジのように、どんどん吸収してくれるドクターの成長は早いです。
しかし、否定的にしか話が聞けないドクターは、素直に話が聞けない原因を取ってあげないと、成長することができません。今の僕は教育の中にも、コーチングの要素が必要だと考えています。

歯科医院に就職するとき、学びの環境・仕事の環境はとても大切です。
勉強したければ、「勉強会に行けばいい！」と簡単に考えている人がいますが、勉強会に行っても全く勉強にならない人が全受講生の半分以上いる話ってご存知ですか？
それは、今の就職先の歯科医院に学びの環境・仕事の環境がどれだけ整っているかということに左右されます。

セミナー初日

ある矯正の勉強会、最初の話で講師の先生が、「このコースを卒業して、実際に矯正治療を行ったドクターが4割。コースを卒業したが、矯正治療を行ったことが無いドクターが6割です。」
という、統計を発表していました。
また別の有名な補綴コースの教科書の最初には、「せっかく、週末に時間をかけて、お金をかけて学びに来たのであれば、毎日の臨床で必ず実践してください。」
という講師の先生の思いが綴られています。

大学を卒業して、ほとんど臨床経験がないのに、高額な長期のセミナーに参加するドクターがいます。
その心意気は素晴らしいですが、フラップオペをしたことがないドクターがペリオコースに参加しても、せっかくの素晴らしいコースが、あの退屈で地獄のような大学の講義・実習に近いものになってしまいます。
打席に立ったことのない人に、ホームランの打ち方は教えることが難しいです。
また、臨床経験はそこそこあって、保険中心の診療をおこなっており、自費診療を学ぶために勉強会に参加するドクターがおられます。

当院では、院内で行う研修はもちろんのこと院外で学ぶ研修会も盛んに行っております。

毎月1回、分院の全ドクターと衛生士・技工士・スタッフが集まり、会議や実習・症例検討をします。毎回議題は様々で、各院の近況報告から問題・改善点を出し合い、全スタッフのモチベーションＵＰと意識の共有を図っております。
歯科医師のみでは、月に1~2回、土曜日の午後を利用して、各実習をおこなっております。外部講師（有名講師）を迎えての勉強会や、その他の研修など多数あります。